ねことのひととき

ねこに癒される日々

恐怖のお年玉 記録 48 カウント11

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな


おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る
事が出来るような気がします
認知症は、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何
かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。








1月1日 月曜日


お正月。


1年の始まりです。


我が家は昨日とかわらず。


たった1人の姪っ子が遊びに来てくれました。


今年は成人式ということで お祝いを奮発。


じじ様にとってはお孫さん。


姪っ子は県外の大学に行っている為 、会うのも年に1回か2回。


じじ様は若くてお洒落な孫に言葉は出ず、じーっと眺めているだけ。


じじ様にとっては異邦人なのだ。


お正月と言えばお年玉。


貰えるのであれば いくつになっても嬉しいものです。


毎年、じじ様ばば様にも少しだけお年玉をあげてます。お年玉というより


気持ちをあげているような感じです。


じじ様には多く感じるように1000円札を5枚入れてみました。


じじ様の反応はというと、


初めてもらったような顔をして いつもの毛糸の帽子に入れて、持ち歩いて


うろうろ。


お金の使い道を知らなくても 嬉しいのです。


良かった、喜んでもらえて。


忘れたころには ばば様に取り上げられるだろうけど。


夜。


お年玉をもらった上機嫌だったじじ様は やっぱり豹変


だが今日はちょっと違った。


見る人全てをにらみつけて ずーと目で追うのだ


怖い、というか恐怖。


意味もなく暴れるわけでもなく、暴言も吐かない。


無言の怖さ。


何なんだろう。


投げ捨てられた帽子がじじ様の足元に落ちていた。


ん?


もしかして・・・


「お年玉の隠し場所を忘れたんでしょう」


ばば様が指摘。


あっ、やっぱり。


じじ様、無言でジュータンの下を見たり、椅子の下を覗きこんで、


手で封筒の形を作って、ばば様も探せ!の指示。


わかるはずもない、隠した本人が忘れているんだから。


は~、また今夜もじじ様眠らせてくれないな。


だが、せっかくもらったお年玉を失くしたのはかなりショックだったらしい。


肩をガクンと下げ意気消沈のじじ様。


可哀そうだけど、しょうがない。


いつか忘れたころに出てくるよ。忘れていた事も忘れているかもしれないけど。


だが ここぞとばかりにばば様が責め立てる。


「じじ様の新しいズボンを買わないといけないでしょ、どこに隠したの!」


それがわからないから じじ様落ち込んでるのに。


このままそっと寝かせてあげて。


それでも 探し回るばば様。


じじ様はただオロオロと動き回るだけのお正月でした。