60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
　　　
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
　　
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して

と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る
事が出来るような気がします
認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、　何
かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。

1月2日　火曜日

デイサービスは1月1日だけお休みで今日からは受入ＯＫと本当に良いサービスです。

だが本人が行かないとどうしようもない。

ま、お正月休みだし、来週からでもいいか、じじ様も昨日は大人しかったようだし。

と思った私が間違いだった。

認知症は昨日が良かったからだと今日も、1時間後もいいとは限らないのだ。

昨晩　落ち込んだお陰で　今朝は朝から王様きどりです。

うろうろしながらも　仏壇をのぞいたり、ジュータンを足ではっぐったりするのは

何かの拍子にお年玉を思い出しているようです。昨日みたいに、睨みつけて因縁を

吹っ掛ける様子は見せないようで　ほっとしていました。

お昼、いつも通りに突然暴れだし手の付けようがなく、ばば様の反撃も通用

しない。

おやつとコーヒーを与えて少し気分もよくなったのだが、なんだか雰囲気がいら立って

いるようで顔つきが険しい。

ばば様が突然に

「じじ様、お風呂に入りたいのよね」

と言い出す。家ではじじ様が嫌がるので誰も入れる事が出来ない、デイサービスでいつも入

れてもらっていたのだ。そのデイサービスもここ4日は行っていない・・・

ばば様にはじじ様の気持ちが言わずともわかるのか、さすが長年の夫婦。

「くさい・・・」

ばば様が言う。

さすがにじじ様も気持ち悪いのだろう、素直にばば様と一緒にお風呂場に向かった。

認知症になっても娘にお風呂に入れてもらうのは嫌らしいので、ばば様に任せて

私は引っ込んだ。

「きえ～」

おふろ場から漫画に出てくる叫び声が聞こえた。

本当に漫画のような叫び声が出るんだ・・・「きえ～」って。

「ぎゃ～」

立て続けに響く叫び声。

お風呂に入るだけなのになぜ殺し合いのような叫び声が出るんだろう。

お風呂場に凶器になるものはなかったから　死人はでないだろう。

お風呂から上がってくるまで　居間でのんびり待っていた。

じじ様　生還。

気持ちよさそうだ。

ばば様、、、お風呂場で何か憑りつかれたの？！

げっそりしている。

「もう　、じじ様はお風呂には入れん！！」

何が起こった？

「じじ様の頭を洗おうとシャワーをかけたら、叫びだして、私に水をぶっかけるのよ！！」

あ～、その叫び声ね。

「シャワーが水だったんでは？」

「あら、どうかしら。でもお湯をひねったし・・・多分」

ん～、完全に水だね。

そりゃ、叫ぶし、怒るわ。

「でも　後からはお湯だったよ」

あとからはね。

ばば様、自分の罪を認めない。

ま、結果気持ちよさそうだし　いいのではない。

ばば様は毎日睡眠不足、ストレスマックスにも関わらず

日に日に体重が増えていくのは　その天然のおかげだね。

まだまだじじ様の認知症バトルは　ばば様の天然さで頑張れ。