ねことのひととき

ねこに癒される日々

  お餅   記録47  カウント12

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して



と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る
事が出来るような気がします
認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何
かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。




12月31日 日曜日


今日は1年最後の日。


大掃除をするも1時間後には見事なくらいに散らかしてしまうじじ様に


もう完敗です。


今年は散らかしたままで良い。


年越しは・・・と思っているものの、日々の寝不足と疲れで おめでたい年明けには


気持ちものらない状態。


「じじ様、年越しに鐘が鳴るよ」


と何気なく話しかける。


「カネがか・・・」


と、架空の世界に行っていたじじ様が突然意識が反応した。


「カネはなるものなのか・・・」


真剣な目で尋ねてくる。


「うん、除夜の鐘 だよ」


「この前はここからなった」


とじじ様帽子を見せてくれた。


「ん?なんで帽子が鳴るの?」


「実は こいつからカネがなるんだ」


とじじ様は他の人に聞かれてはまずそうに、小声で私に教えてくれる。


あれ?以前、帽子からお金が出てくるみたいな事を言ってたような・・・


あっ、そっちのカネね。


打ち出の小槌 、いや打ち出の帽子?


何もかもわからない頭の中で ”お金” には反応するのね。


ばば様が一応正月用にと、買い出しから帰ってきた。


お正月には雑煮が大事らしい。


まっ、確かにお正月らしい、それにばば様が作るお雑煮は美味しい。


だが、いくら美味しいからと言っても、お年寄りだから用心に越したことはない、


今年はお餅は無しにしようと あれほど言ったのに、 なぜレジ袋いっぱいの


お餅を買ってくるんだろう。


「お餅は美味しいから。」


ばば様一言。


ん~、それはしょうがない。


「じじ様の喉に詰まったら、死ぬかもよ」


私が言うと


「大丈夫、じじ様には食べさせないから」


それならいいけど。


尿管結石を患ったとき、お医者様から、塩辛いものやバナナは控えるように言われたのに


次の日、大量の梅干しを買ってき、バナナは2房テーブルの上にたくさん食べてといわんば


かりに置いてあった。


安かったから


とばば様。


私には悪意にしか見えなかった。


嬉しそうに食べるじじ様の体は ばば様の悪意より強かった・・・。


そして今回。


明日迄待てずにお雑煮をせがむ


早く作りすぎのばば様も悪いが、食べさせないと暴れるじじ様も悪い。


ばば様のストレス限界。


・・・じじ様の食べているお雑煮にはお餅が3つも入っていた。


ばば様の悪意なのか、ストレス解消なのか、はたまた本当にじじ様の好きなお餅を


食べさせてあげたかったのか。


本音はわからないが じじ様はちゃんとお餅をよく噛んで飲み込む。


あらっ、お餅ちゃんと食べれるね


とばば様。


そうだね、ばば様。