ねことのひととき

ねこに癒される日々

さすがです。

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る
事が出来るような気がします
認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何
かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。



じじ様入院から約1ヶ月がたとうとしています。


始めの2週間ほどは 心配と罪悪感からなんとなく悶々と毎日が過ぎて行き、


1ヶ月もたつと 人とは慣れるものでじじ様が家にいないのが日常となりつつあります。


入院して1週間目の土曜日、コロナやインフルエンザの為 面会時間が10分と少なすぎる


時間ですが、面会に行きました。 


まだ1週間、早すぎるかなと思いつつ、心配と確認の為に。


私の前に面会待ちの母娘さんお2人が 暗いやつれた表情で話しかけてきました。


「入院してどのくらいですか・・・うちは最近ですので何もわからなくて」


と心配そうに尋ねられます。


「1週間くらいです。ちょっと顔だけ見て、洗濯ものを持っていこうかと思っていまして。」


答える。


この親子の方も 心配と罪悪感でいっぱいなんだろうな。


私だけではなく きっとこんな人達が世の中にはたくさんいるのでしょう。


心配をしてくれる家族がいてくれるだけでも嬉しいことではないだろうか。


認知症を患った当の本人には もう伝わらないかもしれないのに・・・


母親の方が涙ぐんで続ける。


「もううちでは暴れてどうしようもなくなって・・・。どうしてこんなに


なってしまったのか」


不安、、、不安、、、心配だけど面倒は大変。大変だけど、心配


とてもこの母親の気持ちがわかるような気がする。


でも どうしようもないんだよ。


と言いたい。


「うちの父もでしたよ。」 


と言うと。


「そうなんですか。」


同じ境遇の方がいた!とばかりに娘さんの方が言う。


「だから入院して落ち着く様に薬の調整をしていただくんです。」


病院は完全看護ですし、暖かいし、看護婦さんたちも


明るい方たちのようですから 安心ですよ、本人にとっても。」


なぜか まだ入院して1週間目の私がベテランのように説明することで


自分自身にも納得させる。


2人とも 少しホッとしたようにしていた。


脳が壊れてしまった本人、心が壊れそうな家族、


人間とはほんと、大変な生き物です。


だけど 言葉一つで精神が変わる事もある単純さ。


認知症の家族のケア、集まって情報交換したり、愚痴を言ったりと。。。


最近はそんな活動が広がっている。


なんと、面倒な集りだろうと昔は思っていたけれど、


今はこんな良いこの活動を始めた方に感謝したいと思う。


誰かに発するだけで、言葉をだすだけで 心が軽くなる、  


自分がどれだけ大変なのかをアピールして自己満足を得る。


(ちょっと 言い方が悪いですけど)


そして同じ状況の人がいる安心感、そして自分に必要な情報を得る。


行政の方に是非とも そういう場所を広げて行って欲しいですね。


私はあまりいつまでも考えない性格ですので 参加したことはないですが


じじ様のおかげで 家族のケアの必要性が身に染みてわかりました。


そして 確かな情報の必要性も。


そうしているうちに 時間が過ぎ、いざ面会へ。


と、待合室に男性の看護師さんがいらっしゃいました。


じじ様は とても興奮状態で面会できるような状態ではなく・・・”


怪獣のように暴れまわるじじの姿が目に浮かぶ。


さすがです、じじ様。


黙って病院側に従うようであれば 家での生活に苦労はしません。


唖然と、元気なんだと安心と、笑いが出る。


そして 申し訳なさそうな顔の看護師さんにこちらが申し訳なかった。


看護師さんは私の車が駐車場から出るまで見送ってくれた。


もしかして 今まで面会ができないほど ひどい状態って


うちのじじ様が初めて!?


私がベテランのように説明した病院の雰囲気を 木っ端みじんに砕くじじ様、


元気があるのは いいことだ。