ねことのひととき

ねこに癒される日々

緊急搬送

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動


不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。



3月12日


1月12日に保護入院したじじ様。


当時はじじ様の認知症状に驚きとイライラに疲れ果てていて、入院すると決まった日は


肩の荷がおりたような、意識が遠く夢のような感覚でした。


いざ入院となると 安堵感と心配と不安の感情に振り回され家族みんなで情緒不安定に


陥っていましたが、 時間とは不思議なもので 穏やかな日々が続いていると


次第に気持ちが落ち着き じじ様の事はもう遠い昔の事のように普段の生活から消え去って


いってました。


ただ、”薬の調整がうまくいくまで・・・・”と言う担当医のお話しからいくと


この先いつかはじじ様は家に帰ってくるというざわめく心は頭から消えません。


昨日、病院の看護師の方から経過報告ということで電話がありました。


食欲がなく、食事をとることが出来ない状態ですので点滴を3日ほど続けているらしい。


3月に入ってからほぼ食事がとれていない・・・との報告。


ばば様にこの事を話すと、


「喪服はあったかしら。。。」


「じじ様の姉さまにも連絡しないと」


「家族葬でいいよね、もう来る人もあんまりいないから」


とじじ様が亡くなることを前提での言葉が連発!


確かに準備は必要だ。だが・・・


「まだ、食事がとれないだけだし、それに点滴は食事より栄養たっぷりだからね!」


ばば様の期待が膨らむ前に少ししぼませた。


「そうね、今は延命治療もあるしね。。。」


ばば様が暗くなる。


だ・か・ら 、危なくはないんだってば!!


そして今日また病院から電話がかかってきた。


担当医だった。


意識が朦朧としていて、声掛けにも反応がない、と。


ん???


救急で設備機関の整った大きな病院への搬送をしますので すぐに行ってください。と。


ばば様を車に乗せ運ばれた病院へ行った。


受付を済ませ、担当された先生と話しをすることになったのだが・・・


はっきりした口調の生命力溢れる先生だった。


向かい合わせに座り、ただただ先生の話を黙って聞いていた。


「脳の検査、血液の検査等、色々詳しく検査してみましたが、とてもきれいで


全て健康そのものでした。」


脳梗塞、脳出血の心配が見られたので一通り検査して下さったそう。


驚きで声も出ません。


全て健康。。。。


との事ですよ、じじ様!


「気になる事はありますか?」


先生の問いに


「食事がとれないと聞いていますが、、、」


と聞くと


「あ~、それだけは検査ではわからないのです。


 ご本人が食べたくないのか、食べる気分ではないのか、


はたまた食事が気に入らないのか。こればっかりは・・・」


御明確な回答をありがとうございます。


多分、じじ様のわがままなのでしょう、きっと好きな揚げ物や甘いものがあれば


食べるのでしょうね。


先生の話が終わり、じじ様を見に行くとすやすやと寝ている。


これからリライニング付介護タクシーを使って元の病院に戻らないといけない。


なんとまあ、日常に慣れてきた時に ”じじ様は健康だ!!”アピールを派手に


振り回してくれるじじ様。


介護タクシーの中でももぞもぞと動き、歌を歌いだす始末。


ばば様も苦笑いしながら


「健康だったよ、じじ様。良かったね」


と言っていた。


ご機嫌なじじ様はやっぱりばば様も嬉しそうだ。


それにしても


・検査費用  ・・・4500円


・介護タクシー片道10分・・・4000円


痛い出費です。