ねことのひととき

ねこに癒される日々

だまれ!!   記録41  カウント18

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。



おまえか
12月25日 月曜日


執拗に指先で他者には見えない黒い小さきものを 潰し(?)ながら


ぶつぶつと何かを話しかけるじじ様。


そして 誰かに狙われていて 隠れたり、隠れながら見えない敵の攻撃準備をして


毎日を過ごすじじ様。


今日は脳梗塞であまり動かなくなった足をヨタヨタとしながら 畳の上の座布団や


猫ちゃんのおもちゃを小さく蹴り、 家の中の徘徊を楽しんでいました。


そして 毎回仏壇の前に置いてある木のテーブル(お線香やろうそくをのせるやつ)


を蹴って壊すのです。何度 直しても蹴ってバラバラにします。


今日も木のテーブルを壊して「あっ・・・」と言ってやばい顔をしていました。


今日は直せないくらいに破壊されたようです。


怪我すると危ないので 片付けようとしたのですが なんだか接着剤でつければ


なんとか直りそうかな、と組立て始めると じじ様は素知らぬ顔で廊下に行き、


台所でつまみ食いをして、玄関を一回りして仏壇のある部屋まで戻ってきました。


一生懸命に木のテーブルを直している私の背後に立ち、


「こわしたな~!」


言葉もでない・・・毎回壊しているのはじじ様、あなたです。


私は今回も修復作業をしているのです。


やる気がなくなって 笑いしか出なかった・・・・


一周家の中を徘徊して 私に罪をなすりつけるとは。


呆れるお方です。


笑う私につられて じじ様も笑う。


人間は会話が成り立たなくてもいいみたいです。



夜、じじ様はまた海に出航したいらしい。


棒に似たものをどこから持ってくるのか 次々に集めては 突く仕草に精を出している。


多分 魚を突くモリのつもりでしょう。


勢いが良くなり、目つきが変わると もう手の付けようがありません。


ばば様を獲物のように 脅して怒鳴りつけます。それも何を言っているのか、もう日本語


どころか人間語にもなってない・・・


直接暴力はないものの 棒を顔の前に突き出し脅しをかけます。


そして壁に掛かっているものや靴や工具(トンカチやくわ)を玄関に集め、摩訶不思議


な行動を起こし、ばば様に人間語ではない言葉で命令します。


ばば様に意思が通じないと物を投げたり、蹴ったりと本当にてのつけようがない。


これが夜中まで続き、もう3日目だと思います。


ばば様は何の感情もない顔で ただ ただ じじ様の様子を見ています。


家の中だけが、夜も昼もなくただ時間が過ぎていく感じです。


もう 病院から頂いた興奮を抑える薬も睡眠薬もじじ様には効きません。


このままでは 何もわからなくなってしまっているじじ様も可哀そうです。


どう対応していいかわからないばば様も辛いです。


こんな時、偶然 私の姉から電話が来ました。


ばば様は少し姉と話してから じじ様に受話器を持たせる。


怪訝そうに受話器に耳を近づけるじじ様。


「じじ様大丈夫よ、


神様はいつもじじ様を見守っているからね~」


頭の中お花畑の姉はクリスチャンだ。


精神力はドラム缶ほど 図太い。


「だまれ!!」


じじ様 怒鳴る。


じじ様 よくぞ言った。


スペシャルめげない神経姉は


「やあん、大丈夫よ、じじ様の為に祈っておくからね~」


「じゃね~」


・・・こいつ。


絶対 状況わかってないよね、何が神さまだ。


今度 じじ様と2人お泊りツアーに招待してやる、1泊で神様の声も聞こえなくなるだろう。


じじ様、気持ちが逸れたのか姉の電話後 大人しくなった。


姉にある意味 奇妙な怖さを感じたのかもしれない。。。