ねことのひととき

ねこに癒される日々

種とからあげ   記録39  カウント20

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。


おすそ分け


12月23日 土曜日


今年はあまり寒くなかったが 今日の外にはちらほらと雪が落ちてきてました。


じじ様は昨日は喜怒哀楽が激しすぎて うらやましい限りでした。


ほんと、良い身分だ。


ばば様は朝5時からパートにササっと出かけていきました。


出ていく後ろ姿には嬉しそうな音符マーク♬がたくさん見えています。


寝不足でも疲れていても 働きに出た方が楽なのでしょう。


4時間、得意のお惣菜の仕事なので とても気晴らしになり一息つけれて


お金も稼げる。一石五鳥ぐらいになりそうなパートです。


一方じじ様は昨日夜中ずっと起きていたらしく仏間と居間はめちゃくちゃに破壊されていました。


当の本人は廊下でお布団にぐるぐる巻きにされて 寝ています。


多分 ばば様の過度な優しさでしょう。


起こすのも面倒なのでじじ様はそのままにしておき、土曜日は作り置きをたくさん


作ります。平日は時短食事にするためです。いっぺんに作り置きしておくと食費の


節約にもなります。


ですが じじ様の目の届かない所に隠しておかないと 台所や玄関にぶちまけるので


大変。最近は食べ物の判別も難しくなりつつもあります。


小麦粉を食べた後や調味料をつまんでまき散らしたあと、レモンはなぜかつぶして



あり、不思議なことに つまみ食いした後はちゃんとラップをかぶせてあるのです。


なぜ?!


お昼ご飯用に 唐揚げをたくさん揚げていると 美味しい匂いにつられて


じじ様起床。


今日は枕を抱いてはいなかったが 寝起きのまま両手を伸ばして 口をパクパク


酸素を求めている金魚を思い出す。


お祭りの屋台ですくった小さな餌用金魚は 確かぜいたくな肥満金魚に育ったな・・・


あれって なんで死んでしまったのかしらね。 思い出せない。


っと、揚げたての唐揚げをじじ様が素手でつまみ食いしようとしていた。


かなり 唐揚げは熱い。やけどでもしたら大変。


朝の動きが鈍いじじ様から すばやく目の前の唐揚げの乗った大皿を遠ざけて


取り上げた。


じじ様は食べたかったのだろう、手のひらでテーブルをバンバンと叩く


「いや、これはみんなのお昼ご飯! じじ様には つまみ食いさせない!!」


っと私もなぜか意地になって じじ様に怒鳴る。


たかが 唐揚げ。1個か2個食べても何でもない事なのに きっとストレスのたまりにくい


私にもじわじわと連日の疲れが出てきていたのだろう。すまぬじじ様。


片付けした部屋をまた暴れてぶっ壊すかと思いきや  じじ様、娘の私に怒られて


可哀そうなくらい落ち込んだように居間に座っていた。


心がなんだか痛む。たかが唐揚げごときで・・・心の狭い私だ。


揚げたての唐揚げはまだ熱い、お腹がすいているじじ様は熱いのもわからず 口いっぱいに


頬張ってしまうだろう。とりあえず おにぎりと卵焼を作って 朝ごはんにした。


デザートにみかんを置いて 台所で作り置きを再開。


すると 猫ちゃんたちが何かを訴えるように鳴くのです。


ん?ご飯がまだ欲しいのかな、と思いつつ猫ちゃんのご飯皿を覗いてみるとまだ半分ほど


も残っている。


ん?何かしら・・・


こんな時 猫ちゃん翻訳機なんてあったら素敵なのにな、誰か発明してくれないかしら。


よくよくお皿を見ると キャットフードではない赤い丸いのが2個上に乗せてある。


何かしら。


目を近づけてみると それは ” 梅干しの種 ” だった。


もちろん犯人はじじ様。


おにぎりの中身は梅干し。


猫ちゃんにおすそわけ?!


速攻で取り除いてあげた。


その後、ばば様帰宅。


「写真は撮った?」


と聞くばば様。


「何の?」


まさか 梅干しの種はばば様の仕業?


もしそうだとしたら ばば様もカサンドラ症候群 重症だ。


「じじ様の朝からの破壊現場」


と笑いながら言うばば様。


あ~、それくらいもう日常だからね。


よかった、ばば様はまだ正常だ、おまけに前向き。


11時。少し早めのお昼ご飯。


じじ様待望の唐揚げだ。


テーブルの上に並べるが、じじ様お昼ご飯を拒否。


つかさずばば様が言う。


「便秘かしらね。じじ様 便はでた?」


適当なのか心配しているのか。


きっと大半は適当な口癖だろう。


じじ様腕を組んで そっぽを向く。


あ~、そうか!


朝から出来立て唐揚げを取り上げたから 


「もうこんなもの いらん!!」


という態度なのね。


勝手にすれば!


だが後片付けをしに台所に行く、私を確かめてから黙々食べていたようだ。


再び居間に行くと 大量にあった唐揚げは綺麗になくなっていた。


そして また猫ちゃんのご飯皿にも 唐揚げが今度は1個だけ乗せてあった。


意味は不明の行動だが猫ちゃんには優しさを見せるじじ様に 怒る気も失せる。