ねことのひととき

ねこに癒される日々

おしり   記録29

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。


親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな


おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。


おしり


今朝。


暖かった12月は終わり、本格的な冬の12月到来の寒さ。


ばば様は親戚の用事で午前中不在。


何故だか じじ様今日は早起きせずお布団でぐっすり睡眠中。


今のうちに 掃除、洗濯などなど することはたくさん。


ふっとかすかに物音が。。。


じじ様 起きたのかな。


朝ごはんをお盆に乗せ、スタンバイ!


じじ様 朝の日課、家の中パトロール(徘徊?)。


じじ様を捕まえて さっさっと朝ごはんを終わらせよう。


じじ様を探しに縁側に行く。


物体発見。


脱ぎ捨てられたズボンが落ちている。


そして 窓に向かって、ひっかけられた液体の跡。


ふ~っ。。。


心よ落ち着け。


とりあえず、熱湯消毒。


再び 台所にて お湯を沸かす。


かすかな雰囲気。 じじ様 登場。


いらつきをおさめる為、後ろ向きのまま話しかける。


「どうしたの、ズボン忘れてたよ、今日寒いからね!」


じじ様今日は寒くて言葉が出ないらしい。


何かのサインを背中に送ってくる。


「お腹へったでしょう、、ご飯食べようか」


と じじ様の方を振り返る。


ぎょっ!!!???


じじ様 はだか・・・・


何も着てない('_')


何故。


それも こんな寒い日。


とりあえず 、上着を着せた。


おむつを取りに行ったがいつもの場所にない。


探した。


散々さがしまわって ない。


じじ様に聞いても なんのことやら のしまつ。


はっ~、朝からこれか・・・


ふと見ると、猫さんたちがこたつの中を興味津々に見ている。


ン?


こたつをめくると 


あった・・・大人用おむつ、24枚入り。


あー、尿の消毒、朝ごはん、じじ様の着替え。


優先順位は ・・・・じじ様の着替えか。


おむつを持って 台所にいくと、じじ様不在。


おーい、パンツもはかず、どこに行った!


廊下で静かに歩く気配。


みると 下半身何もつけず、お尻をプリンっと だしたままでのったり歩くじじ様の後


ろ姿。


イラつき 吹っ飛び。


なんだか 可愛いお尻に爆笑。


と同時に寒いだろうに・・と切なくなる。


じじ様の両腕を支え、暖かい場所に誘導。


そして 椅子に座るように言った。


すると


「ここにか・・」


と戸惑うじじ様。


「そう、足が上がらないから 椅子に座ってパンツをはこうか」


早くしないとじじ様の足が震えていた。


「いや・・ここは冷たい」


と椅子を軽く触る。


あっ、確かに。この赤い椅子はプラスチック製だった。下半身裸のじじ様は直に皮膚


に触れる。かなり 冷たい。


でも それはわかるんだね。


すぐさま タオルを敷いた。


じじ様 はゆっくりと座る。


親の裸姿は ちょっとひく。


だが 震えて寒いうえに きっとお腹もすいているだろうに、


言葉が出ないから 伝えることが出来ない。


おむつをはかせ、ズボンをはくと 少し安心したようだ。


きっと ばば様がいなくて 不安でパニックを起こしていたんだろう。


寒さで手もかたまり、広げれない状態。


じじ様は一生懸命指を伸ばそうとしている。


お盆に乗せた朝ごはんを こぶしを握ったまま(開かないのだ)手で掴もうと


している。


優先順位2はご飯だな。


おかしなことに ご飯を指で掴んだ と錯覚を起こしているのか 何も持たないまま


口に運ぶ。


なんだか おかしい。


もしかしたら また脳梗塞が・・・


様子をみてみよう。


しかし お腹はすいているらしく 何かをつかもうとしている。


しょうがないので スプーンで口まで運んであげるも 自分で食べたいらしい、


口をムっと閉じて 拒否されてしまう。


朝ごはんを パン に変えてみた。


すると 服を着て体も少し温まってきているのか なんとかパンをつかんで食べれた。


しばらく 様子をみるも おとなしいもので。


いつもの 摩訶不思議 爆発トークもない。


ん、これはやばいかも。


お年寄りは寒さに弱い。


暖房とホットカーペットをフルにつける。


そして 毛布で座っているじじ様を包む。


「優しいね・・・」


じじ様が 微笑みながら私を見る。


いつも こうならいいのだけど。


なんだか 本当の病人、それも近々人生を全うしてしまうような感じがして。。。


テーブルの上の毛糸の帽子に手を伸ばすじじ様。


ばば様の愛情(?)のこもった ど派手な色の手編みの帽子。


「帽子 かぶりたいの?」


取ってあげると


「いや、帽子がな、寒そうにしてるからな・・」


と寂しそうに言うじじ様。


「かぶせてあげようか?」


「いや、こいつは お金をださんから いらん!」


はっ?!


お金を出す帽子なら どんな色の帽子でもかぶるよ!!


そこへ ばば様帰宅。


「おー、もう死んだと思っていた」


じじ様。


じじ様 、ばば様がいなくて寂しかったのね。


たかが 3時間あまりでも。


「この前 やっつけたろう。


 おかしいな。。。


 よし。 今度はしかっりと バーン!と しとめる」


「お前は(ばば様のこと) 前も後ろも肉ばかりつけやがって!!」


 毒舌開始。


いや、さっきまで 穏やかで良いご老人だったじじ様。


ばば様をしとめるのに 毒舌鉄砲炸裂


さて 窓に着いた尿の消毒をしないとね。


相手する人によって 態度が変わるじじ様。


これはきっと もとからの性格だね。


「お前(ばば様)は あそこに行け」 じじ様。


「どこに?」 ばば様。


 仏壇を指さすじじ様。


いつのまにか 指もしっかり開いている。


「仏壇の中に入らないといけないの?」ばば様。


「いや.  」


 「幕末だ」 じじ様。


意味不明。


良かった、いつものじじ様だ。