ねことのひととき

ねこに癒される日々

最高のお誕生日プレゼント   記録 56 カウント3

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな
  
おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発し



と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る
事が出来るような気がします
認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。
私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何
かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本
能の心思うまま行動するのです。





ばば様の誕生日



1月9日 火曜日


仕事中、かかりつけの病院から電話がかかってきた。


なんだか 良い予感なのか 心臓がどきどき。


「部屋が空きましたので、どういたします? 早くて12日金曜日には


 入院できますよ」


どうするもなにも 2つ返事でお願いします。


ずっと入院でなくても、せめて1週間、いや入院できる日にちが決まるのであれば


3日だけでも 嬉しいくらいだ。


そして 入院に関する説明を前日の11日に聞きに病院に行くことにした。


家に帰り、じじ様のいないところでばば様に伝えた。


ばば様は気が抜けたように ぼんやりと聞いている。


もう現実とも現世とも夢うつつの状態だ。


「さみしくなるね、きっと」


そう言うと


「・・・そうだろうね」


ポツリとばば様がつぶやく


じじ様を入院させるのはいまだに抵抗はある。


じじ様が悪いわけではない、認知症というのに引っかかってしまったのが悪いのだ。


治らない認知症、進行していくばかりの認知症。


たくさんの情報を調べた、治らずとも止めることは出来ないかと。


精神力で脳の働きが回復しないだろうか。。。


脳が壊れてしまってはもう修復不可能なのだろうか。


じじ様はお風呂場で痛めた脇腹がまだ痛いらしく 仏頂面のまま大人しい。


「いつもこんなに大人しいなら ずっと家で面倒みててもいいのだけど・・」


寂しくじじ様を見ながらばば様は言う。


そして


「いっそのこと 足が動かなくなると寝たきりで看病しやすいのに!


ばば様、なんか怖いんだけど。


本気で言ってるよね、それ。


今日はばば様の72回目のお誕生日です。


ちゃんと プチケーキも準備してあります。


「今日は最高のいいお知らせで いいお誕生日だね」


「そうね、ほんとに」


ばば様 の顔が 心なしかほっとしている。