ねことのひととき

ねこに癒される日々

大切なぬいぐるみ  記録34  カウント25

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。
   
親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな


おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。



ぬいぐるみ


12月18日  月曜日


今日は月曜日。


1週間の始まりの日に じじ様今日も破壊力爆発です。


昨日 足腰が立たなくなるほど睡眠をとったので体力が余りに余っています。


起きて居間に行くと ばば様とプロレスをしていました。


朝の3時からゴングが鳴ったようです。


時計は朝4時。


審判は私、ももめです。


・・・朝から面倒なやつめ。


と思いながら 頼りないこぶしで構えるじじ様に向かって


私は仕事の準備で忙しいんだ!おとなしくしておけ!


という目線ビームを送る。


すると じじ様構えた腕を下におろし、顔をうなだれ 一言。


「ケンカのプロには かなわん


と椅子にこしかける。


だれがケンカのプロやねん!!


あー、めんどくさい。


とりあえず、静かになった。


朝はまずは猫ちゃん3匹のご飯の準備。っと台所に行くと これはまた何の騒ぎか。


テーブルの上いっぱいに食い散らかしたものが散乱、ばば様の作った味噌汁の鍋には


何かのビニール類が投入され、ゴミ箱の生ごみが床に投げ捨てられていた。


これはばば様がゴングを鳴らすのも 致し方無い


ふーっ、ため息のみ。


何かの本か雑誌にかいてあるのを思い出した。


ふーっと大きくため息をつくと心が落ち着くらしい。


再び 居間に戻ると じじ様が立ち上がっていた。


両手に掴んでいるのは 猫ちゃんたちのおもちゃ、耳と足の長いポケモンのぬいぐるみだ。


そのぬいぐるみを何度も引っ張ったり、ねじったりしているじじ様。


遠目で猫ちゃんたちが様子を伺っている。


「じじ様、それ猫ちゃんたちに返してあげてよ」


じじ様 人格破壊の時の怖い目つきでぬいぐるみを投げ捨てた。


猫ちゃんたちはそっとぬいぐるみに近づき クンクンと匂い確認。


きっと ケンカのプロの私に一瞬でノックアウトされた仕返しなのだろう。


「猫ちゃんたち可哀そうよ、撫でてあげたら?」


構わず言うと じじ様素直に猫ちゃんたちをなで始めた。


どんなに人格崩壊している時も なぜか猫ちゃんたちには優しいじじ様は まだ人間として


の人格は残っているらしい。


そして 何事もなかったかのように普通に


「めし!!」


この足の踏み場もないように 散らかしまくった部屋はどうすんだ!?