ねことのひととき

ねこに癒される日々

ストリッパー      記録26

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。


親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな


おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。


キレイになった花壇



本日は休日。


仕事も休みも関係のないじじ様は 毎日朝4時に起きてご飯を食べ、あてもなく家の周りを


うろつく。


以前は散歩に出かけて良い運動になっていたのだが、帰り道がわからなくなるのと、近所


のおばちゃんたちにすずめの集会の如く話かけられるのが怖くて 安全な家の周りをうろうろ。


10時になると こたつに入りおやつの時間を待つ。


ばば様が花壇に植える花の苗をじじ様のおやつと一緒に買ってきたみたいだ。


じじ様がおやつを堪能している間、ばば様は趣味の花植え。


ほんとに土に埋めるだけ。。。。


枯れると、また新しい苗が登場するのだ。


ばば様の趣味だから 口も手も出さない。


今回はまだつぼみも出ていない苗たちだ。


単なる草にも見える。


まっ、花が咲くまで枯れないで と祈ろう。


苗は塀沿いに10株程を1mくらい並べられていた。


何が咲くんだろう・・・・


お昼からじじ様ばば様 お昼寝タイム。


ばば様がテレビを見ながらうたた寝。しかし、じじ様は眠れなかった。


ばば様が朝から花壇をいじっているのをみて、自分も手伝いたかったらしい。


花壇の前に立つと、1人黙々と草むしりを始める。


花壇あがキレイになったので 満足。



翌日。


デイサービスのお迎えを楽しみに朝7時から家の前でうろうろしながら 職員さんをまつ


じじ様。


お迎えは9時。


退屈だろうと思い、じじ様の隣に立ち 聞いてみた。


「デイサービスは楽しい?」


「あ~、ご飯がたくさんでる」


と笑顔のじじ様。


「それは、いいね」


ご飯かい!


「こんな小さな皿にすこしづつ、いっぱいあるんだ」


とじじ様 手のひらで小さな器の形を作る。


ん?不満?それとも満足?どっちなんだろう。


まっ、どっちでもいいけど。


「それから、何して遊ぶの?」


じじ様、キョロキョロと周りを見渡すと 小声で


「ストリップ」


と にんまり。


そして


「ばば様は知らないことだ」


と付け加える。


「ストリップね、いいじゃん。」


とりあえず 話を合わせて素知らぬ顔をしよう。


セクハラじゃん、すけべじじぃめ!


じじ様自分の服を脱ぐ仕草をして


「姉ちゃんが俺の服を脱がせる」


あ~、お風呂タイムね。


良かった、妄想ではなくて。


「それは 楽しいね。 他には何するの?」


じじ様 そのまま妄想にふけり、私の声は聞こえないらしい。


無視。


そこへ


「ぎゃー!!」


と可愛くもない おばさんの叫び声が聞こえた。


ばば様だ。


花壇に座り込み、背中は怒りのオーラが出ている。


昨日買ってきて土にしっかりと埋め込んだ苗が キレイさっぱり全て引っこ抜かれていた


あっ、 じじ様 昨日・・・


きっと雑草に見えたのね・・・・


じじ様 退散。


ばば様はぶつぶつ塀に向かって じじ様への恨みつらみを発していた。


不幸中の幸いか、 引っこ抜かれた苗は無造作に土の上に重ねてあった。


それを丁寧にまた埋めるばば様。


じじ様、 これは雑草に見える苗。


ただ、植えたばかりだったから、すぐに抜ける草取りが楽しかったのよね、きっと。