ねことのひととき

ねこに癒される日々

認知相談センター     記録1

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動
不審に驚きばかりの日々です。


親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめなおすことばかりです。


親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発したりと後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る事が出来るような気がします。


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。


じじ様は人間の本能の心思うまま行動するのです。対応に困るときもあれば、子供のような素直な時もあります。



同居開始1年半。始めの1年はイラつきストレスでこちらが病気になりそうでした。


ある日突然、自分の周りに透明の薄い壁を作り遠い傍観者としてじじ様の様子を観察する事 


にしました。すると面白い発見があり、あれっ?という感覚のきっかけがたくさん重なり、


自分の素直じゃない、意地の悪さに気づき、ものすごく落ち込みもしました。


ただ、持ち前の性格上、過ぎたことはしょうがない、問題はこれからだという信念に基づ


き、起ってしまった事は消去。両親と話すのは普通より10倍精神力がいるので、(人の話を


最後まで聞かない、思い込みで話す、一からの説明が必要)アンテナを張り、観察し、何が


今必要なのか、言葉なのか、安らぎなのか、はたまたおやつが欲しいのか を探り出す。


しかし決して壁は壊さないようにする。自分と自分以外を均等に守るために維持して柔軟で


跳ねて沈み込み包み込むような壁。あまり優しくしてくっついてもダメ、また冷たくあしら


いすぎてもダメ。なかなか手の込んだ生活です。しかし手ごたえがあった日はなかなかの


足感を得ることが出来、苛立ちさをまた違う方向で見ることが出来るようになりました。



じじ様があと何年間、この毎日を暮らせるのかわかりませんが、本能のまま感情豊かな日常のむかついたこと、切なかった事、不思議な事、勉強させられる事など記録していきたいと思います。



2月。
じじ様の症状がひどかった。


夜中の叫び声、暴言はいつもの事で慣れれば心の対応は出来る。


ちなみに娘は騒音防止の耳栓を使用して寝ている。


・ばば様への暴力
・陶器の灰皿を振りかざして脅す
・独り言(殺す、殺すを繰り返す)
・誰かが家の中にいる(3人ほど)じじ様だけ見える
・侵入者が家に入れない様、玄関のドアを何度も開け閉め(3時間)
 ふすまの開け閉め(閉まる感覚がわからない)


まとめると、私たちには見えない人が3人いて、そいつらが侵入して乗っ取るので


殺さないといけないらしい。


古い家だから別に構わないけど、夜中にそういうのはやめてほしい。怖い。


四六時中一緒にいるばば様に聞くと、


「だんだん痴呆がひどくなって、なにを言ってるかさっぱりわからん」


と眠くて、 疲れて、あきれて、冷たくあしらう。


「なんだと、おまえはな!!・・・お前は」


怒鳴り声。
じじ様は言語障害?の為それ以上の言葉が出せない。


いつものパターンだ。


そして言葉の出ない自分にいら立ち、また同じ言葉で一番弱いばば様に暴言を吐く。


連日連夜。


さすがにこれでは、ばば様まで倒れてしまう。


そして 事件がおこる。


じじ様がばば様にはさみを突きつけ掴みかかろうとしていた。


ばば様は抵抗しつつも怖さで泣きそうな顔だ。


私はじじ様の腕をつかんで引っ張りばば様から離した。じじ様は軽く尻もちをつく。


一瞬あまりの体の軽さにひるんでしまう。


こんなに軽いなんて・・・


心がチクリと痛む。情けなさ、憐み、可哀そう、、


3分後、じじ様は何事もなかったように忘れている。


ついテレビやネットで見る介護による事件を見てしまう。


このままでは事件が起こりかねない。


それに家族全員がストレスにより体調不良やこころの病にかかってしまいそうだ。お互いが


気持ちが楽に生活できる方法はないだろうか。


ひと段落し、ネットで体験談や施設を調べてみた結果、まずは相談センターに聞いてみるこ


とにした。実際一緒に暮らしている家族にしかわからない、この状況を話しても伝わらない


だろうとほとんど期待もせず、予約を入れてみた。


地域包括支援センター」


無料の市の相談センターだ。


平日は私が仕事の為、より詳しく状況のわかるばば様の同行は必須。うまくじじ様から抜け


出しばば様と相談室に座った。


担当の方は軽く10分ほど今の家族構成、状況、病院、その他必要事項を聞くと、私とばば様


の話をたまにうなずきながら黙って1時間ほど聞いてくれた


そして私たちにとって納得のいく指導、これからすべきことを指導して下さった。


センターを出てまず よかった の一言しか出なかった。感謝、感謝のみだ。


どうしていいかわからない状態に先が見えるようで気力も復活。



先ずは指導してくれたことにとりかかった。


かかりつけに診断書を書いて頂き、介護保険の申請の手続きを始めた。


センターの方が役所に連絡をしていて下さって後日、役所の聞き取りの方が家まで来てくれ


た。結果は1カ月ほどかかるとのことだったが、それと同時にディサービスのご紹介も頂く


ことになった。


とんとん拍子でディサービスの契約も済み、はじめは1週間に一度の利用を始めることにな
った。


じじ様は知らないところに行くのが不安で2回ほどキャンセル発生。


根気強くばば様がだまして、ディサービスの車に乗せるのが成功。見送った後ばば様は手を


たたいて跳ね上がって喜んだ。それほど毎日が憂鬱だったのだろう。


じじ様も割と楽しかったようで 送ってきたディサービスの車を追いかけて手を振っていた。


1カ月たち、様子をばば様に聞いてみると、(平日、私は仕事の為いない)


なんでも若い女の職員の方を気に入っているらしく、その女性が車に同乗しているとなかな


か車から降りようとしないみたいだ。それがまた問題になり、ばば様が頭を痛めている。


まっ、楽しければ良しとしよう。


1週間に1回でもばば様の気が休まれば、今のところは1段階クリアかな。