ねことのひととき

ねこに癒される日々

標的 ・・・    記録17

60歳で脳梗塞を発症。現在77歳認知症発動中のじじ様。わがまま、ストーカー、暴力、挙動


不審に驚きばかりの日々です。


親としての威厳が失われていくのは哀しいものですが、親も人間だと改めて感じ、見つめな


おすことばかりです。親子という近い立場ゆえ苛立ちが爆発したり、ひどい言葉を発して


と後々で後悔することが多い中、考えや気持ち、今まで生きてきた環境、様々な想いを知る


事が出来るような気がします


認知症は治らない病気、将来80歳以上の大半の人が発症すると言われています。


私の父も認知症の診断を受けています。脳の中で何が起こっているかわかりませんが、 何


かをする、行動する、の前に何か理由、原因が必ずあると思っています。じじ様は人間の本


能の心思うまま行動するのです。


標的・・・


妹の3回目の帰省。


5月に10日間滞在、


8月に1ヶ月滞在、


今回は1ヶ月半の滞在予定だ。


じじ様は また来た!!と妹の事を単なる世話を焼く人、もしくはうるさく言う人、


ばば様と楽しく話す人、つまり目障りな人なのだ。


じじ様は早速 妹に勝負を挑む。


1週間ほどは作戦を考える為、妹をじーっと観察していたらしい。


それが妹の癇に障ったらしく、妹に心の余裕がなくなった。


そりゃ、真正面からずっと黙って じーっと見られているとイラつくでしょう。


いい男ならまだしも、前歯の抜けた年寄じじいからは ちょっとね。


家に帰ると言葉のやり取りが ギスギスしい。


「何かあったの?」


ばば様はだんまり、妹はじじ様を立ったままにらみつけてる。


じじ様を見ると 苦笑い。


「見て!人をばかにしたふざけた笑い方して。むかつく」


妹が声を荒げて言う。


ふーっ、じじ様の不適なふざけた笑い方は日常茶飯事なのだけど。。。


「気にするな、じじ様に悪気はない、きっと、、、多分な・・・・」


妹を落ち着かせ、更に 怒ったら、向こうの思うつぼだ。と助言して同盟を組んだ。


妹が帰省して、昼間の様子の動画を携帯で撮ってもらっていたのだが、


やはり 皆が言うように、じじ様の態度は相手によって変化するらしい。


妹が言うには 私ももめが近くを通ったり、部屋から出てくるドアの音がすると


とたんに おとなしくなるのだ。


動画に映っているじじ様は かなりの偏屈顔で不満顔になっている。


それに


「なあに、私に文句があると?」


と妹のいらだった声も入っている。


あー、これはやばい。


じじ様は元の性格が悪いから 普通の認知症よりたちが悪い。


ワザとの様にじじ様は妹を怒らせている。


それと 妹と言い合いをすればするほど 悪賢いことを考え、行動するように感じる。


動きも素早くなり、会話も成立してきている。


つまり、現状を把握してきている。


今までは会話が成立せず、意味不明、たまに怖いことを言ったり鳥と会話したり、


話していてもすぐに忘れたりだったのだが、妹には ネチネチと3日程同じことを言ったら


しい。


覚醒!? してきている。


じじ様の場合 認知症100%の方がまだ まし かもしれない。


じじ様のもとの性格の方が はちゃめちゃ なのだ。


なんとかちゃんとした認知症に誘導しなければ、 本当に危険人物になってしまう。



朝はなんとか食べ物に混入して成功率が上がってきている。


だが夜の薬は 飲ませるのが無理に等しい。朝だけでも飲んでいるからマシだとばば様は


あまり追求しない。諦めモードなのだ。


それに薬は今回はあまり関連がないように感じている。




妹の3回目の帰省から、じじ様は確実に覚醒してきている。


そして 標的は 妹だ。


認知症は治る?


検索結果


*認知症は、徐々に症状が進行していく進行性の病気です。 完治は難しい※ですが、治療によって、進行を緩やかにし、穏やかな暮らしをサポートできます。




*残念ながら、認知症を完全に治す薬は存在しないので、改善するためには薬物療法や非薬物療法を地道に続けるしかありません。


じじ様の場合、進行が緩やかになっても 元の性格が悪いので穏やかな暮らしは望めない。


穏やかに過ごしやすくするためにいろいろな事を調べ、実験してきました。


病気の研究をしている皆様方、どうか性格の悪いお年寄りの性格を治す薬を発明して下さ


い。認知症はまだかわいい方です。


じじ様の性格の悪さは 破壊的です。


じじ様は認知症の症状を上まる性格の持ち主です。


もしかしたら 認知症さえも破壊して浸食していくかもしれないです。


だけど・・困ったことに、優しさもあるのです。


私の前では とても一生懸命何かを訴えてきて、それがまた健気にみえて すぐに自分


が病気になった事に対して 申し訳ない と謝るじじ様。 なんだか 哀れで胸が締め付け


られる思いでいっぱいになり、何も言えなくなる。ただ 余生を穏やかに過ごして欲しいと


思った。


なのに、それは演技かもしれない と妹から聞いた。全部演技でないが、相手を判断して


態度が変わるらしい。


まっ、すべての人に性格が悪いわけではないので まだ救われるかな。


多分 私が 逃げ道になっているのだろう。


では ばば様と妹は なぜじじ様の攻撃の標的に選ばれたのだろう。


認知症は認知症だがプチ認知症だ。


かかりつけの病院で相談をしてみる事にしよう。


 ディサービスの日--------


朝からスケールを手に持ち  カシャンカシャンと伸ばしては収めて 偉そうに座っている


じじ様。 


1人でじじ様のディサービスの準備をしている妹の顔の前に行き、 スケールを伸ばし、


ガシャン!!


威嚇。


妹が大きな声で怒鳴る。


何事かと 外でディサービスの職員と話していたばば様が慌てて玄関に行くと


じじ様がいない。  逃亡。


ばば様、妹、お迎えの職員さん 各自 いなくなったじじ様を探す。


川に落ちたら・・


遠くに行って道がわからなくなったら・・・


事故でもあってたら・・・


と心の底から心配した。


30分後。


家から見える 歩いて1分ほどの小さな橋の上から 優しく笑顔で手を振るじじ様 発見。


急いでじじ様のところに駆け寄ると


「姉ちゃんたち(職員さん)が遅いから・・・・・


 心配でな ・・・・待っていた 」


と時間をかけて話す。


妹を威嚇した時とは別人のような 優しい顔だ。


妹は唖然。。。


無事 ケガもせず ディサービスの車に乗って行った。


逃亡した30分間 どこにいたのか 聞いてみたが


誰もわからず、本人も忘れていた (多分)


妹は後1ヶ月はいる予定だが 更に体重が落ちそうだ。


四六時中 「許せん!」と言っている。


人の怒りは自分を優しい人に変えてしまう効果があるらしい。おかげで私は穏やかになる、


どころか、笑いしか出ない。


スケールで人を威嚇するって、どこまで幼稚なんだろう。


それにこんなに文句をいいつつ、じじ様の心配をして30分も探してあげるなんて


理解しがたい。私なら ほっといておく。事故に有ったらあったで自業自得でしょうと。


みんなの優しさを逆手に取り、都合が悪い事は忘れた、という小賢しいところは、ほんと、


うらやましい限り。


今回もスケールで妹を威嚇したところを赤の他人(職員さん)に見られたかもしれない、


ばれたかもしれない と思い 少し時間がたつのを待って 隠れていたのでしょう。


妹がいる限り、 じじ様の威嚇合戦バトルが毎日続く。


妹の精神が持てばよいが・・・


心理的に追い詰めてくる じじ様の標的にはなりたくないから


飴と鞭で できるだけ手なずけるようにしよう。


妹よ、全ては勉強だ。


個性の強いじじ様を手なずける事が出来れば 勝利(*'▽')